イスラエル・マサダ

2013/12/10 (4日目) 続き

10:50 エリコを出発すると、間もなく死海が見えてきます。この辺りからは対岸のヨルダンがはっきり見えます。中心辺りに黒い円形の影のようなものが見えますが、左上の線上あたりがモーゼ終焉の地ネボ山です。

イスラエル側から見るネボ山


11:10 クムランを通過します。観光最終日に来る予定になっているので素通りします。この辺りエルサレムからは近いのです。(ですが残念ながら後日訪問することは叶いませんでした。)有名な死海写本(ヘブライ語聖書の最古の写本)が発見された場所です。

死海写本が発見されたクムラン


しばらく死海沿いを走ります。場所によってとても美しい色をしています。死海の七不思議とは、誰でも浮く、1回入ると10年若返る、精神安定効果が高い、滅菌効果が高い、酸素濃度が濃い、紫外線が少ない、痩せる、と良いこと尽くめです。

死海


くねくね道が多く、ちょっと気持悪いかもとバス酔いの兆候が見え始めた頃、マサダが見えてきました。真ん中の台形の小山が2000年前のユダヤ人篭城と自決の要塞で知られるマサダです。イスラエルを訪れるにあたって必ず訪れたい場所として筆頭にあがっていました。

マサダ


11:50 マサダに到着です。きれいなビジターセンターで、観光の前にセルフサービスのビュッフェランチを先にいただきます。マクドナルドもあるけどお値段かなり高いです。

マサダのビジターセンター


12:30 いよいよマサダ観光スタートです。まずはビジターセンターでビデオ(英語)を見て、ここで何があったか軽く予習します。ビデオが終わるとそのままロープウェイの乗り場へ誘導されます。ロープウェイからは徒歩で上り下りできる「蛇の道」がよく見えます。大半は階段で、上るのに1時間くらいかかるそうです。何しろ高さ400mもあるので・・・。

マサダのロープウェイと蛇の道


ロープウェイを降りたら、通路の脇に水路を見ることができます。この右側には大きく掘られた空間があって、貯水槽になっています。水路から水を流しいれる仕組みを実際に見て、山の上でもかなり大量の水が貯められることはわかりましたが、雨の降らないこの地でどこから水を引いているのかこの時点では謎です。

マサダの水収集システムの水路


門から要塞の中へ入ります。上から見るとひし形をした山頂は、自然の地形を活かした要塞となっています。ゆっくり座ってマサダの長い説明を聞きます。紀元前に作られた要塞は、ヘロデ王が宮殿として改築し、その後ローマ軍に追い詰められたユダヤ人が最後に立てこもった場所となりました。1964年に発掘が行われたそうです。

見学はまず石切り場からスタート。マサダの建築は現場の石を使っています。遺跡には高さ1~2mあたりに黒い線が引かれていますが、黒線から下はオリジナルで、上は崩れていたものを修復したものだそうです。この辺りは守衛所。内部にはごくわずかにフレスコ画が残っています。

マサダ要塞の守衛所付近


ここは倉庫群です。修復前で石がゴロゴロしている所ときっちり修復された所が混在しています。

マサダ要塞倉庫群


こちらはローマ式浴場。表にはモザイクが残り、内部は、脱衣所、水風呂、休憩所などがあり最後は高温サウナです。床下暖房の感じで、燃料はアスファルトだったと思われています。この浴場は結局王は使うことはなく、兵士たちが使っていたようです。

マサダのローマ式風呂


北の宮殿からは景色が素晴らしいです。この遺跡には黒い鳥が多数いて、羽にわずかにオレンジの差し色があるのが特徴です。少し人に慣れているような、黒いのにかわいい鳥です。
写真左に四角形が欠けた遺構が写っていますが、ローマ軍の大本営の跡です。マサダからは全部で8つのローマ軍の陣営跡を見下ろすことができます。立てこもった967人に対し、取り囲んだローマ軍は1万5千人ほどだったと言われています。

北の宮殿からローマ軍大本営を見下ろす


名前の書かれた陶器片が発見された場所、くじ引きの部屋、で再び長い説明が始まります。マサダの話のクライマックスです。3年も立てこもったユダヤ人が、もうすぐローマ軍が攻め入ってくるとわかって、禁じられている自決を決める最後のいきさつのお話です。

ローマ軍に捕らえられるよりは死を選んだユダヤ人たちは、自殺は禁じられているので、自決と言っても見方に殺してもらうことになります。最後の一人を選ぶためのくじ引きをするため、残った10人の名前を書いた陶器でくじ引きをしたそうです。最後の人はやりを立てて喉を突き刺したと胸が締め付けられる話です。

2人の老婆と5人の子供が怖くて水汲みの水路に身を隠していて生き延びました。そのお陰でマサダの話が後世に伝わることにもなったのです。結局960人が集団自決し、この後ユダヤ人の長い離散の歴史が始まるのです。

さて、長い話の途中、座ったまま話を聞くのは時間がもったいないので、近くの北の宮殿の下に行ってってみようと、こっそり皆の側を離れました。ですが、崖っぷちに作られた急な階段と細い通路はあまりに怖くて高所恐怖症の私には到底無理でした。

北の宮殿の下部への道


いよいよ、マサダの最後を決定付けたスロープが見えてきました。真上から見るとなんだかわからないので、横から見た方が分かりやすいです。難攻不落の要塞を落とすために、ローマ軍の大本営側から、捕虜にしたユダヤ人たちに半年がかりで作らせたスロープです。本来崖っぷちの所になだらかに土が盛られています。同じユダヤ人に作業させたので、上から攻撃できなかったのです。このスロープの完成を目前に自決を決意したわけです。

ローマ軍が作らせたスロープ


どうでもいい話ですが、この遺跡にはトイレがあります。遺跡の修復した建物のひとつに、中にトイレを作ったようで、ちゃんとしたきれいな水洗トイレが遺跡の内側にあるのです。

さて孤立無援の切り立った山の上の要塞でどうやって水を集めたかの謎が解明される時がきました。遺跡の一角に、マサダの水を集める仕組みを示す模型があります。マサダ近辺では1年に5mm程度しか雨は降らないので、遠くで降った雨を鉄砲水として集め、水路に流し込み、貯水槽にためる仕組みです。模型は、実際に遠くに水をかけると水が貯水槽に流れこむ様子がわかるよう、よく計算されて作られています。

マサダの水収集システムの模型


シナゴークや、ローマ軍のスロープを上から見た後は、ロープウェイ乗り場へ戻ります。遺跡の半分は見ないまま観光は終わりなので、是非また来たいと思います。頂上を横切る形でロープウェイ乗り場へ戻る途中には、モザイクの残る建物などもあり、ちょっとずつ覗きながら皆を走って追いかけました。

モザイクの残る建物


ロープウェイで降り、トイレ&ショッピング休憩20分です。うーん、だったらあと20分上にいたかったなぁ・・・。お土産は高級なAHAVAとかが人気でした。石鹸だけでも1つ1000円近くするので私にはちょっと縁がないかな。

15:15 マサダを後にします。周辺はまるでマサダの山のミニチュア版というか、小さな渓谷というか、自然が作ったと思われる不思議な景色が広がります。大自然の中に作られた要塞観光とその悲劇の話に久しぶりに大きく心動かされ、期待以上の一日になりました。

マサダ周辺の地形


次回は死海をレポートします♪

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こんにちは!

荒野に佇む 「鳥」 v-212v-218

よくあの環境に鳥がいましたね~

Re: こんにちは!

こんにちは!

この鳥さん、遺跡にたっくさんいるんです~。
真っ黒なのに、ちょっとだけオレンジの部分があるだけで、カラスと違って愛くるしく見えるんですねー。
こんな荒野の山の上に宮殿作ったなんて、マチュピチュよりはるかに古いのにスゴイとこです!
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