中国・都江堰パンダ谷(野生化訓練視察~飼育員体験)
2016/09/23 (3日目) 続き
10:08 野生化訓練区入口にやってきました。ここは一般の立ち入り禁止の未公開エリアです。今回は特別にちょっとだけ中へ入れてもらいます。と言っても、実は三号舎の裏側通路から見えるくらい近い所までです。写真撮影禁止、大声禁止です。山裾に設けられた餌場を見下ろす台で、野生化訓練中のパンダが来ないか待ちます。

成都の幼年園にいた私の好きな七喜(チーシー)たちの同級生2014年生まれの星語(シンユゥ)と星願(シンユェン)の双子姉弟がここで野生化訓練を受けています。毛竹(マオジュー)、毛笋(マオスン)の双子兄妹も訓練候補に選ばれパンダ谷で暮らしていましたが、今年の春成都に戻り、星語星願の2頭が山での訓練に進みました。

訓練区の外側にフェンスがある以外は普通の自然の山です。トレーナーの話によれば、山の奥の方へ行って自分で食べ物を探し、足りない時だけ山を降りて餌場に現れる、という生活を送っているようです。ちょうどエサのタケノコの入れ替えや掃除をしていたので、付近にはいないのでしょう。どうやら直接会える見込みは全くなさそうです。
10分少々で早々に諦め、やはり未公開エリアにある野生化訓練の研究棟に移り、監視室のモニターで2頭の姿を探すことになりました。監視室は10数人が入るのがやっとの部屋で、薄型のモニターが6つくらい壁に張り付き、それぞれのモニターに16コマくらいの監視カメラの画像が映っていました。

かなりの数のカメラが山の中に取り付けられているようですが、それでもどれだけ目を凝らしてもどこにも2頭の姿は見つけられません。監視の係りは、姿を確認したら記録を残すという仕事をしているようです。ちらっとも姿が見えないので、その記録ノートから録画を見せてくれました。今朝の8:50、つまり1時間ちょっと前のものです。2頭が一緒に木に登って遊んでいるようでした。
双子で、生まれた時から一緒の2頭ですが、山の中では普段は別々に行動しているようです。2歳ですから野生だと独り立ちしている歳ですね。出会ったときだけ一緒にいるようです。
GPSのついた首輪をしています。野生化する時はつけるので、つける訓練なのだそうです。
三号舎の裏側から見えるこの山に2頭は暮らしています。斜面は急で、見通しも悪いですが、安全で、食べ物にも困らないので、野生飼育を問わず最高の環境かも知れません。今回、2頭が私たちの前に姿を見せなかった事を残念と思うより私はむしろほっとしました。安易に人前に出てくるようでは野生化なんてほど遠いからです。会えなかったのは訓練がうまくいっている証拠でしょう。

野生化に関してはパンダファンの中には反対される方が多いので私はあまり多くを語りません。野生化を試みてからまだ歴史が浅いため、悲しい事例がいくつかあるからです。でも飼育パンダが順調に数を増やせるようになってきているし、野生化の問題はいずれ越えなければならない問題なのです。自身のためにも、後続のパンダのためにも野生化訓練に選ばれた子たちには頑張ってもらいたいです。
さて、星語、星願の野生化訓練の近況を確認した後は、飼育員体験の一環としてタケノコ洗いを行います。三号舎の庭の前を通ります。ここには次の野生化訓練候補生、2015年生まれの子パンダたちがママと一緒に暮らしています。

妮妮(ニィニィ)ママとその双子姉妹、大妮(ダーニィ)、小妮(シャオニィ)、小Y頭(シャオヤートゥ)ママとその双子兄弟、小雅(シャオヤー)、小川(シャオチュァン)がこのパンダ谷にいます。
双子の子供をシャッフルして、2組に分かれて生活しています。三号舎にいるのは、妮妮ママと大妮、小川(日本ファンはロドリゲスと呼んでいる)。こっちは大妮かな。成都にいるとき夢中になってライブカメラで見ていた子です。大きくなったなぁ。

10:50 二号舎のパンダ舎の所で、タケノコ洗い体験をします。靴カバーと、ビニール手袋を装着し、タケノコを洗います。この作業はあまり興味がなかったので、相部屋さんと一緒にやります。タケノコはよく見たら土などで汚れていたので洗う意味が理解できました。高圧の水が出るホースで泥などを洗い流します。ただそれだけの事ですが、大好きなパンダの食事の準備をしたというのがパンダファンには大事らしいです。タケノコは意外なほど軽かったです。
11:07 次はパンダ釣り体験です。お付き合いくださるのは二号舎に暮らす2010年生まれの園琳(ユェンリン)という雄パンダです。こちらのパンダも野生化とは関係なく、大人になるまでここで暮らしているようです。野生化は飼育生活に慣れる前の小さい子がターゲットで、それ以外の子は成都や他の動物園にキャパがないから預かっているみたいな感じです。

まずは飼育員さんが見本を示します。細い棒の先に切ったリンゴを刺して、顔よりやや高めに差し出します。パンダがリンゴを咥えたら棒をさっと回収。まぁ、真似してやってみてという感じです。

パンダさんにちょっとだけ立ってもらうくらいがいいのでこんな感じに上げます。棒の長さが結構ギリギリなので、噛みつかれて引っ張られないよう注意です。

この園琳、女の子みたいな顔立ちで結構かわいいです。パンダはリンゴが好きですが、13回は飽きちゃうので、時々歩いて移動しようとします。でも、呼ぶとちゃんと戻ってきて座って待機してくれます。

パンダ釣りが終わって皆が身支度している間に、二号舎の上側のパンダをちらっと見にいきました。ここにいるのはPo(阿宝)とDeDe(徳徳)、スペインのマドリード動物園で2010年に生まれた双子兄弟です。パンダは海外へ繁殖目的で貸与されるので、海外で生まれた子パンダは繁殖可能年齢近くになると皆中国へ帰ります。もう6歳ですから、通常単独生活、双子だとぎりぎりまで一緒に生活させたりします。今からパンダ釣りをするところでした。DeDeが早く頂戴という顔で待っています。

双子のPoは庭の奥でかわいらしく寝ていて、呼んでも全く動こうとしません。今は眠いんだよぅという顔です。

DeDeはおいしそうにおやつを食べています。

りんごをもらうDeDe。さっきの園琳のように立ち上がってもらったりせず、口元に運んでくれるのを待ってます。そんなんじゃ、お婿さんに選ばれないよ~。

そうこうするうちにPoもおやつが欲しくなったのかやってきました。こちらも横着派のようです。飼育員は段々面倒くさくなったのか、最後の方はりんごを投げ入れちゃったりしていました。成都のように見物人が大勢いる訳ではないから、ちょっと手抜き?

次回、引き続きパンダ谷に暮らすパンダ達の紹介と社員食堂ランチをレポートの予定です♪
10:08 野生化訓練区入口にやってきました。ここは一般の立ち入り禁止の未公開エリアです。今回は特別にちょっとだけ中へ入れてもらいます。と言っても、実は三号舎の裏側通路から見えるくらい近い所までです。写真撮影禁止、大声禁止です。山裾に設けられた餌場を見下ろす台で、野生化訓練中のパンダが来ないか待ちます。

成都の幼年園にいた私の好きな七喜(チーシー)たちの同級生2014年生まれの星語(シンユゥ)と星願(シンユェン)の双子姉弟がここで野生化訓練を受けています。毛竹(マオジュー)、毛笋(マオスン)の双子兄妹も訓練候補に選ばれパンダ谷で暮らしていましたが、今年の春成都に戻り、星語星願の2頭が山での訓練に進みました。

訓練区の外側にフェンスがある以外は普通の自然の山です。トレーナーの話によれば、山の奥の方へ行って自分で食べ物を探し、足りない時だけ山を降りて餌場に現れる、という生活を送っているようです。ちょうどエサのタケノコの入れ替えや掃除をしていたので、付近にはいないのでしょう。どうやら直接会える見込みは全くなさそうです。
10分少々で早々に諦め、やはり未公開エリアにある野生化訓練の研究棟に移り、監視室のモニターで2頭の姿を探すことになりました。監視室は10数人が入るのがやっとの部屋で、薄型のモニターが6つくらい壁に張り付き、それぞれのモニターに16コマくらいの監視カメラの画像が映っていました。

かなりの数のカメラが山の中に取り付けられているようですが、それでもどれだけ目を凝らしてもどこにも2頭の姿は見つけられません。監視の係りは、姿を確認したら記録を残すという仕事をしているようです。ちらっとも姿が見えないので、その記録ノートから録画を見せてくれました。今朝の8:50、つまり1時間ちょっと前のものです。2頭が一緒に木に登って遊んでいるようでした。
双子で、生まれた時から一緒の2頭ですが、山の中では普段は別々に行動しているようです。2歳ですから野生だと独り立ちしている歳ですね。出会ったときだけ一緒にいるようです。
GPSのついた首輪をしています。野生化する時はつけるので、つける訓練なのだそうです。
三号舎の裏側から見えるこの山に2頭は暮らしています。斜面は急で、見通しも悪いですが、安全で、食べ物にも困らないので、野生飼育を問わず最高の環境かも知れません。今回、2頭が私たちの前に姿を見せなかった事を残念と思うより私はむしろほっとしました。安易に人前に出てくるようでは野生化なんてほど遠いからです。会えなかったのは訓練がうまくいっている証拠でしょう。

野生化に関してはパンダファンの中には反対される方が多いので私はあまり多くを語りません。野生化を試みてからまだ歴史が浅いため、悲しい事例がいくつかあるからです。でも飼育パンダが順調に数を増やせるようになってきているし、野生化の問題はいずれ越えなければならない問題なのです。自身のためにも、後続のパンダのためにも野生化訓練に選ばれた子たちには頑張ってもらいたいです。
さて、星語、星願の野生化訓練の近況を確認した後は、飼育員体験の一環としてタケノコ洗いを行います。三号舎の庭の前を通ります。ここには次の野生化訓練候補生、2015年生まれの子パンダたちがママと一緒に暮らしています。

妮妮(ニィニィ)ママとその双子姉妹、大妮(ダーニィ)、小妮(シャオニィ)、小Y頭(シャオヤートゥ)ママとその双子兄弟、小雅(シャオヤー)、小川(シャオチュァン)がこのパンダ谷にいます。
双子の子供をシャッフルして、2組に分かれて生活しています。三号舎にいるのは、妮妮ママと大妮、小川(日本ファンはロドリゲスと呼んでいる)。こっちは大妮かな。成都にいるとき夢中になってライブカメラで見ていた子です。大きくなったなぁ。

10:50 二号舎のパンダ舎の所で、タケノコ洗い体験をします。靴カバーと、ビニール手袋を装着し、タケノコを洗います。この作業はあまり興味がなかったので、相部屋さんと一緒にやります。タケノコはよく見たら土などで汚れていたので洗う意味が理解できました。高圧の水が出るホースで泥などを洗い流します。ただそれだけの事ですが、大好きなパンダの食事の準備をしたというのがパンダファンには大事らしいです。タケノコは意外なほど軽かったです。
11:07 次はパンダ釣り体験です。お付き合いくださるのは二号舎に暮らす2010年生まれの園琳(ユェンリン)という雄パンダです。こちらのパンダも野生化とは関係なく、大人になるまでここで暮らしているようです。野生化は飼育生活に慣れる前の小さい子がターゲットで、それ以外の子は成都や他の動物園にキャパがないから預かっているみたいな感じです。

まずは飼育員さんが見本を示します。細い棒の先に切ったリンゴを刺して、顔よりやや高めに差し出します。パンダがリンゴを咥えたら棒をさっと回収。まぁ、真似してやってみてという感じです。

パンダさんにちょっとだけ立ってもらうくらいがいいのでこんな感じに上げます。棒の長さが結構ギリギリなので、噛みつかれて引っ張られないよう注意です。

この園琳、女の子みたいな顔立ちで結構かわいいです。パンダはリンゴが好きですが、13回は飽きちゃうので、時々歩いて移動しようとします。でも、呼ぶとちゃんと戻ってきて座って待機してくれます。

パンダ釣りが終わって皆が身支度している間に、二号舎の上側のパンダをちらっと見にいきました。ここにいるのはPo(阿宝)とDeDe(徳徳)、スペインのマドリード動物園で2010年に生まれた双子兄弟です。パンダは海外へ繁殖目的で貸与されるので、海外で生まれた子パンダは繁殖可能年齢近くになると皆中国へ帰ります。もう6歳ですから、通常単独生活、双子だとぎりぎりまで一緒に生活させたりします。今からパンダ釣りをするところでした。DeDeが早く頂戴という顔で待っています。

双子のPoは庭の奥でかわいらしく寝ていて、呼んでも全く動こうとしません。今は眠いんだよぅという顔です。

DeDeはおいしそうにおやつを食べています。

りんごをもらうDeDe。さっきの園琳のように立ち上がってもらったりせず、口元に運んでくれるのを待ってます。そんなんじゃ、お婿さんに選ばれないよ~。

そうこうするうちにPoもおやつが欲しくなったのかやってきました。こちらも横着派のようです。飼育員は段々面倒くさくなったのか、最後の方はりんごを投げ入れちゃったりしていました。成都のように見物人が大勢いる訳ではないから、ちょっと手抜き?

次回、引き続きパンダ谷に暮らすパンダ達の紹介と社員食堂ランチをレポートの予定です♪