クルーズ・客室(キャビン)の選び方
クルーズ船には、客室のタイプは多数あり、同じ間取りでも場所によって料金体系も異なるので、客室クラスは10以上あるのが普通です。
ですが、大まかに分けると4つの種類があります。
スイート、(海側)バルコニー、海側、内側、この4つです。
客室のタイプは、基本的には階級を伴うものではありませんが、キュナードなど一部の船には、客室によって利用できるレストランなどに違いがあり、階級が残っている船もあります。この場合は飛行機の座席クラスみたいなイメージです。
また、昨今では、プレミアム船・カジュアル船でも、一部の上級客室のみ特別扱いし、専用のレストラン、ラウンジ、プールデッキなどを用意したり、シアターなどの優先席を作ったり、優遇サービスがいろいろついたりしますが、これは船全体の中のごく一部の部屋だけ該当なので、それ以外の人が卑屈になるようなものではありません。
つまりほとんどの場合、部屋のタイプによって受けられるサービスや食事の内容が変わる訳ではないのが飛行機とは違う点かも知れません。
説明はお値段の安い方からしますね。
・内側
もっとも安い客室です。何といっても、窓がありません。言葉通り船の内側に部屋があります。他の部屋に比べて特別狭い訳ではありませんが、窓がない分圧迫感があります。
13㎡以下の場合はかなり狭く感じるでしょう。写真は狭い例です。14㎡以上であればもっと快適です。

同じ船の内側でも広さに幅がある場合がありますが、広い部屋は角など特殊な場所にあったり、車いす対応とか、そもそも例外的な部屋で数がすごく少ないので、A~B㎡という書き方がされていたら通常はAの広さと思った方が無難です。
もちろん、この一番安い部屋でも、シャワー、トイレ、クローゼット、TV、ミニバーなどの基本設備は他の部屋と一緒です。
下層階から上層階までスペースのある場所あちこちに設置されている部屋です。
どうせ窓がなくて景色が見える訳ではないので、下層階がオススメです。
・海側
内側との違いは、窓がある、ただし開かない、それだけです。
部屋の広さ、設備、は内側と基本的に同じことが多いです。
そして、レストランやショップ、シアターなどがある階の下、最下層にあることがほとんどです。船底にあると思ってください。(さらに下の階にクルーの部屋などありますが)
・(海側)バルコニー
内側・海側との違いは、ずばり、窓が開いて専用バルコニーがある、ということです。
部屋の設備や広さは変わらない場合が多く、若干広い場合もあります。たとえ同じ広さでも、バルコニーがあるだけでかなり広く感じます。

いつでも好きな時に海風にあたり、景色を眺めることが可能です。
レストランやシアターのある階より上にあります。
・スイート
多くの船ではスイート以上にバスタブが付きます。逆に言うとカジュアル船などはほとんどの部屋にバスタブはありません。部屋が広く、基本的に広いバルコニーもあります。ここから上は、船によってはどこまでも贅沢な客室が用意されていますが、その数は圧倒的に少ないので、一般的に高い客室から予約が埋まると言われています。
カジュアル船の方が、超豪華な部屋が多く差が激しいです。リビングダイニングや専用ジャグジー、100㎡以上の部屋がある船もあります。お値段もかなりしますが、内側の数倍程度なので、特別なお金持ちでなくても絶対無理という程でもありません。
スイートの中でも最上級の部屋は、各種特典、優遇サービスが用意されていることが多いです。
場所は船主や船尾、上階に設置されていることが多いです。
他の部屋に比べ、船内チップが微妙に高いです。
ではどのように客室を選べばいいかです。
まずは、今あげた4つですが、初めての方には海側バルコニーをオススメします。7泊クルーズを目安とすると、実は内側に比べ10万円前後も高いことが多いです。1部屋辺りだとその倍。ただバルコニーがついているだけで、そんなに値段違う程の価値がありますか?
はい、気分が全然違います。初めての時はこの気分はとても大事です。
ただし、気温が低い時期はオススメしません。上着を着て、震えながら無理にバルコニーに出ても楽しくなく、室内に逃げ帰えるのがオチだからです。だから初めてのクルーズには気候のいい夏の地中海エーゲ海、冬のカリブ海、日本だったら春から夏、などをオススメします。
そしてお金に余裕のある方は、初めてだろうとなかろうと、スイートにしたらよろしいかと思います。
私は3,4回のクルーズでバルコニーを体験したら、初日の乗船時に眺めチェックにバルコニーに出て以来、全然バルコニー出てない!なんてことに数日後気付いたりして、バルコニーはもう要らないかもと思いました。外出たければ上階デッキに行けばいいし、部屋にあってもバルコニー使わないのではもったいない。リピーターのうち、うまくバルコニー生活を楽しめなくなった人は、内側で数行った方がいいや、と私のような選択をする人も少なくないようです。
空調の点からも窓を開けっぱなしにして置くという事もないので、意識しないとバルコニーに出なくなるのですが、例えばのんびり外を眺めようと外に出たとして、寒いと長く居られないし、暑すぎたり日差しがきつくても居られないのです。向きによって眩しすぎ、もあります。
時にはのんびりバルコニーで昼寝、とか読書、もいいでしょう。でも何回かやったら満足したというか、寝るにしても本読むにしても風のない室内の方が快適ですから、気分を楽しめなくなったらもうダメってことですね。
ただ、新型コロナの件で、ダイヤモンド・プリンセスで2週間も部屋に隔離になっているのをTVで見た時には、あれ?そういうリスクのためにはバルコニー意味あるね、と思いました。部屋の広さが同じでも、バルコニーの分だけは物理的に広いので、閉塞感もだいぶ違うし、そもそも換気もできます。日光を浴びることによって気分もだいぶ違うはずです。
2週間部屋から出られないなんて、誰も想定してなかったはずなので、感染症リスクまで考えるというのは現実的ではないかも知れません。ダイヤモンド・プリンセスの時も定期的にお散歩許されるようになったし、そんなことまで考えて何日でも暮らせるスイートにしよう、なんて、お金の使い道に困っていない限りはできません。
ということで、寝たり着替えたりするためだけに部屋に帰るようになれば内側でも十分と思えるようになります。
さて、同じ設備の客室でも、位置、階によって、値段が微妙に変わってきます。位置としては中央付近が高く、階は上の方が高いです。
位置に関しては、船首が一番揺れます。
また、船首・船尾は廊下を歩く距離が長くなります。健康であれば、廊下を歩いてカロリー消費した方がいいので、値段で決めてもいいでしょう。
階数ですが、値段の高い上の方が揺れます。ですが眺めはいいでしょう。
バルコニーの場合は、そもそも船の上半分くらいにあるので眺めはどこもいいのですが、そのうちの一番下の場合は、救命ボートなどで若干視界がよろしくない、という船もあります。一番下のバルコニーは奥行きが広い場合もあるので、好き好きです。
できればデッキプランを事前に見ておいた方がいいでしょう。
そして、内側は一番船中のあちこちにあります。選べるなら、安い下層の方がいいと私は思います。船底近くの船の内側というのは一番揺れません。そして、廊下ですれ違うのは、同じ内側の人か海側の人だけなので、気持ち的に気楽です。
上層階で、廊下挟んで向かいがスイートだと何となく気分的によくないです。それに下層階は、上下船口にも近いのがいいです。
添乗員付きのツアーなどでクルーズに参加する場合は、大まかなカテゴリだけで位置や階数などを選べないことがほとんどです。クルーズ単体で販売しているような旅行会社では、元々船が設けている細かいカテゴリごとに申し込める場合もあります。
結論ですが、お金のある人はスイート、初めてから楽しめるまではバルコニー、クルーズ生活に慣れ回数行きたければ内側、がオススメです。
なお、クルーズは基本は2名で参加するというのが大前提で、一人参加するとコスト的にはかなり痛いです。そんな人のために1人部屋が用意された船も昨今は登場していますが、まだまだ少数です。
逆に、3、4人で1つの客室を安く利用するという手もあります。3,4人目は安く乗れますが、全ての部屋が対応可能ではないので、早めの申し込みが必要です。そして、子どもの小さいご家族であればよいでしょうが、大人の場合は、スイートでもなければ2名で使うのがやっとの広さなので、あまりオススメしません。(寝台列車4人部屋をイメージください。急に違う旅のスタイルのようになってしまいます。)
次回は海域やコースの選び方について書こうと思います♪
ですが、大まかに分けると4つの種類があります。
スイート、(海側)バルコニー、海側、内側、この4つです。
客室のタイプは、基本的には階級を伴うものではありませんが、キュナードなど一部の船には、客室によって利用できるレストランなどに違いがあり、階級が残っている船もあります。この場合は飛行機の座席クラスみたいなイメージです。
また、昨今では、プレミアム船・カジュアル船でも、一部の上級客室のみ特別扱いし、専用のレストラン、ラウンジ、プールデッキなどを用意したり、シアターなどの優先席を作ったり、優遇サービスがいろいろついたりしますが、これは船全体の中のごく一部の部屋だけ該当なので、それ以外の人が卑屈になるようなものではありません。
つまりほとんどの場合、部屋のタイプによって受けられるサービスや食事の内容が変わる訳ではないのが飛行機とは違う点かも知れません。
説明はお値段の安い方からしますね。
・内側
もっとも安い客室です。何といっても、窓がありません。言葉通り船の内側に部屋があります。他の部屋に比べて特別狭い訳ではありませんが、窓がない分圧迫感があります。
13㎡以下の場合はかなり狭く感じるでしょう。写真は狭い例です。14㎡以上であればもっと快適です。

同じ船の内側でも広さに幅がある場合がありますが、広い部屋は角など特殊な場所にあったり、車いす対応とか、そもそも例外的な部屋で数がすごく少ないので、A~B㎡という書き方がされていたら通常はAの広さと思った方が無難です。
もちろん、この一番安い部屋でも、シャワー、トイレ、クローゼット、TV、ミニバーなどの基本設備は他の部屋と一緒です。
下層階から上層階までスペースのある場所あちこちに設置されている部屋です。
どうせ窓がなくて景色が見える訳ではないので、下層階がオススメです。
・海側
内側との違いは、窓がある、ただし開かない、それだけです。
部屋の広さ、設備、は内側と基本的に同じことが多いです。
そして、レストランやショップ、シアターなどがある階の下、最下層にあることがほとんどです。船底にあると思ってください。(さらに下の階にクルーの部屋などありますが)
・(海側)バルコニー
内側・海側との違いは、ずばり、窓が開いて専用バルコニーがある、ということです。
部屋の設備や広さは変わらない場合が多く、若干広い場合もあります。たとえ同じ広さでも、バルコニーがあるだけでかなり広く感じます。

いつでも好きな時に海風にあたり、景色を眺めることが可能です。
レストランやシアターのある階より上にあります。
・スイート
多くの船ではスイート以上にバスタブが付きます。逆に言うとカジュアル船などはほとんどの部屋にバスタブはありません。部屋が広く、基本的に広いバルコニーもあります。ここから上は、船によってはどこまでも贅沢な客室が用意されていますが、その数は圧倒的に少ないので、一般的に高い客室から予約が埋まると言われています。
カジュアル船の方が、超豪華な部屋が多く差が激しいです。リビングダイニングや専用ジャグジー、100㎡以上の部屋がある船もあります。お値段もかなりしますが、内側の数倍程度なので、特別なお金持ちでなくても絶対無理という程でもありません。
スイートの中でも最上級の部屋は、各種特典、優遇サービスが用意されていることが多いです。
場所は船主や船尾、上階に設置されていることが多いです。
他の部屋に比べ、船内チップが微妙に高いです。
ではどのように客室を選べばいいかです。
まずは、今あげた4つですが、初めての方には海側バルコニーをオススメします。7泊クルーズを目安とすると、実は内側に比べ10万円前後も高いことが多いです。1部屋辺りだとその倍。ただバルコニーがついているだけで、そんなに値段違う程の価値がありますか?
はい、気分が全然違います。初めての時はこの気分はとても大事です。
ただし、気温が低い時期はオススメしません。上着を着て、震えながら無理にバルコニーに出ても楽しくなく、室内に逃げ帰えるのがオチだからです。だから初めてのクルーズには気候のいい夏の地中海エーゲ海、冬のカリブ海、日本だったら春から夏、などをオススメします。
そしてお金に余裕のある方は、初めてだろうとなかろうと、スイートにしたらよろしいかと思います。
私は3,4回のクルーズでバルコニーを体験したら、初日の乗船時に眺めチェックにバルコニーに出て以来、全然バルコニー出てない!なんてことに数日後気付いたりして、バルコニーはもう要らないかもと思いました。外出たければ上階デッキに行けばいいし、部屋にあってもバルコニー使わないのではもったいない。リピーターのうち、うまくバルコニー生活を楽しめなくなった人は、内側で数行った方がいいや、と私のような選択をする人も少なくないようです。
空調の点からも窓を開けっぱなしにして置くという事もないので、意識しないとバルコニーに出なくなるのですが、例えばのんびり外を眺めようと外に出たとして、寒いと長く居られないし、暑すぎたり日差しがきつくても居られないのです。向きによって眩しすぎ、もあります。
時にはのんびりバルコニーで昼寝、とか読書、もいいでしょう。でも何回かやったら満足したというか、寝るにしても本読むにしても風のない室内の方が快適ですから、気分を楽しめなくなったらもうダメってことですね。
ただ、新型コロナの件で、ダイヤモンド・プリンセスで2週間も部屋に隔離になっているのをTVで見た時には、あれ?そういうリスクのためにはバルコニー意味あるね、と思いました。部屋の広さが同じでも、バルコニーの分だけは物理的に広いので、閉塞感もだいぶ違うし、そもそも換気もできます。日光を浴びることによって気分もだいぶ違うはずです。
2週間部屋から出られないなんて、誰も想定してなかったはずなので、感染症リスクまで考えるというのは現実的ではないかも知れません。ダイヤモンド・プリンセスの時も定期的にお散歩許されるようになったし、そんなことまで考えて何日でも暮らせるスイートにしよう、なんて、お金の使い道に困っていない限りはできません。
ということで、寝たり着替えたりするためだけに部屋に帰るようになれば内側でも十分と思えるようになります。
さて、同じ設備の客室でも、位置、階によって、値段が微妙に変わってきます。位置としては中央付近が高く、階は上の方が高いです。
位置に関しては、船首が一番揺れます。
また、船首・船尾は廊下を歩く距離が長くなります。健康であれば、廊下を歩いてカロリー消費した方がいいので、値段で決めてもいいでしょう。
階数ですが、値段の高い上の方が揺れます。ですが眺めはいいでしょう。
バルコニーの場合は、そもそも船の上半分くらいにあるので眺めはどこもいいのですが、そのうちの一番下の場合は、救命ボートなどで若干視界がよろしくない、という船もあります。一番下のバルコニーは奥行きが広い場合もあるので、好き好きです。
できればデッキプランを事前に見ておいた方がいいでしょう。
そして、内側は一番船中のあちこちにあります。選べるなら、安い下層の方がいいと私は思います。船底近くの船の内側というのは一番揺れません。そして、廊下ですれ違うのは、同じ内側の人か海側の人だけなので、気持ち的に気楽です。
上層階で、廊下挟んで向かいがスイートだと何となく気分的によくないです。それに下層階は、上下船口にも近いのがいいです。
添乗員付きのツアーなどでクルーズに参加する場合は、大まかなカテゴリだけで位置や階数などを選べないことがほとんどです。クルーズ単体で販売しているような旅行会社では、元々船が設けている細かいカテゴリごとに申し込める場合もあります。
結論ですが、お金のある人はスイート、初めてから楽しめるまではバルコニー、クルーズ生活に慣れ回数行きたければ内側、がオススメです。
なお、クルーズは基本は2名で参加するというのが大前提で、一人参加するとコスト的にはかなり痛いです。そんな人のために1人部屋が用意された船も昨今は登場していますが、まだまだ少数です。
逆に、3、4人で1つの客室を安く利用するという手もあります。3,4人目は安く乗れますが、全ての部屋が対応可能ではないので、早めの申し込みが必要です。そして、子どもの小さいご家族であればよいでしょうが、大人の場合は、スイートでもなければ2名で使うのがやっとの広さなので、あまりオススメしません。(寝台列車4人部屋をイメージください。急に違う旅のスタイルのようになってしまいます。)
次回は海域やコースの選び方について書こうと思います♪